第三十番 瑞龍山 法雲寺 (臨済宗) 08.11.21













笠をのせた古い石塔が二本。
秋の陽は強く、陰陽が際立って、影の部分が何も見えない。
ここからが寺域となる。
歩いてゆくと正面に池、右手に庫裏。
我々が一番乗りで他に参拝者はいない。
森閑とした深い森に包まれた境内は、実に清清しい。









観音堂へはサツキに挟まれた石段を更に上る。
朱塗りのお堂は江戸初期の建立と言われ、秩父札所のなかでも1,2の古さを誇る。
右は、石段の上から撮った写真。
庫裏の前の池にはまだ日が当たっていないので判然としないが、「浄土庭園」と称するのも首肯る。

観音堂の境内からの景色が美しい。
紅葉と常緑樹とのコントラストの美でもあるが、日向と日陰のコントラスが作り出す明暗の美でもある。
この深い山が修験者の修行の場であった。
彼らはこの山の中の洞窟に如意輪観音を祀り拝んだ。
それは「深谷観音」と称された。
やがて禅僧がその洞窟の近くに草庵を構え、観音の世話をするようになる。
禅寺は「法雲寺」と号すようになり、修験者から「深谷観音」の管理権を譲り受けて別当寺となる。
さらに寺域に観音堂を建立、その本尊である如意輪観音を寺の本尊にした。
河野善太郎氏は著書「秩父三十四所考」でこのように推察している。








秋の陽に映えてイチョウの葉が黄金色に輝いている。
木の下は散ったイチョウの葉が重なって、これもまた違った美を作り出している。








境内の石像も年輪を感じさせる。
左は観音立像、右はお地蔵さんのようだが、なんか河童のようでもある。

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