1・四万部寺ー2・真福寺 08.10.30




「秩父三十四所」の案内板は、随所に立っている。
それに従って進めばいいのだから、気が楽だ。













 小さなお堂のところで左の道へ。
お堂には如意輪観音がいらっしゃる。
地元の人たちは「によりさま」と呼び、安産を祈願するのだそうだ。
そういえば、この観音さまの腹は妊婦のような膨らんでいる。
如意輪観音といえば、右の掌で右の頬を支えている姿が多いが、この「によりさま」は手の甲を顎の下に添えている。

やがてもうひとつの道しるべ。
写真の撮り方が下手で、分かりづらいが、中央に「南無地蔵菩薩」、右に「みぎ三ばん」、左に「ひだり二番 願主 心求 はま」と書いてある。
この「願主 心求 はま」の道標は、「秩父三十四所」の至る所で見られる。
建設したのは元禄年間。
表記の仕方がいろいろで明確ではないが総合すると願主は高橋嬉兵衛。
相州三浦郡小坪村の出身で、居住地は江戸小田原町。
嬉兵衛の法名が「心求」で、その家族が「はま」だと見られている。
願主の「心求」と「はま」の二人が道標造立の功徳を説いて回り、江戸の町民が施主となって建立されたというのが通説のようだ。




















集落を抜けると前方に山が見える。
標高665メートルの高篠山だ
第二番札所「真福寺」は、その中腹300メートルにある。















道が上り勾配になると急にあたりが暗くなる。
杉林に入るからだ。第一番から第二番への歩きは、45分位だろうか、「秩父三十四所」巡礼道の中で、最も単調でつまらなく、故につらい道のりである。
坂道の勾配が一定で、単調だから飽きてしまう。
それに杉林の無味乾燥さがつまらなさを倍加する。
杉は空を覆って、日の光を遮断する。
秋だというのに色づいた木の葉はどこにもない。
花もなければ、鳥の鳴き声も聴こえない。
視界がきかないから、足元を見て歩くしかない。
最低の林道なのだ。
「ガンバロー」の文字が見える。
みんなこの道は苦痛なんだろう。


不機嫌になって、無口で坂を上る。
と、左に忽然と超モダンな家が出現する。
農家とは思えない。勤め人なのだろうか。
車があれば通勤も買い物も可能ではあろうが、子どもの通学は大変だろうと余計なおせっかいを焼く。
斬新なデザインの建物が、周囲の自然に不釣合いだ、とこれも余計な感想である。
この家の道路を挟んで右手に「真福寺」はあった。

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