第二十九番 笹戸山 長泉院 (曹洞宗) 08.11.11


第二十九番長泉院」の参道入り口には、3本の石標が立っている。
右から「笹戸山長泉禅寺」、中が「笹戸山石札道場」、そして、左が「篠戸山長泉院」。
境内にも孟宗竹林があるが、山号の「笹戸山」はここから南に500メートル行った笹戸山からとったもの。             創建時には、この笹戸山山頂に懸崖造りの観音堂としてスタートした。
だから「笹戸山」なのだ。
それが火事で焼失し、今の地に再建された。
それもまた焼失し、再建されたという同じことの繰り返しの歴史を持つ寺なのである。


参道入り口を覆う桜は「よみがえりの一本桜」として有名だが、境内には桜のほかミツマタ、モクレン、ミツバツツジ、サツキ、ナツツバキなど幾多の花が咲き乱れている。
掃除が行き届いていて、チリひとつない気持ちいい空間である。
本堂は7間半、6間の入母屋造りの大きな建物。
写真がないが、堂内天井は千社札が張られているように見せる納札天井という装飾天井になっている。
外の壁にも貼られているが、こちらは参詣者が張ったもの。
千社札は、納札の一種で天明から寛政の頃(1781-1801)、江戸で流行した稲荷1千社参りに起源を持つ。札を貼るには、住職の許可を得なければならない。
古い札が貼ったまま残されているのは、札が貼ってある間はその堂宇に参篭していることと考えられていたからである。
再びその寺を訪れた巡礼者が自分が貼った札が残っているかどうか、探すのも無理からぬ事といえよう。

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