第七番 青苔山 法長寺 (曹洞宗) 08.11.05


白い石に彫ってあるので分かりにくいが、山門左手に「不許葷酒入山門」の文字。
「秩父三十四所」は禅寺が多いからこの石碑はあちこちにある。
いわば禅寺のシンボルみたいなものだが、禅寺の匂いがするのは精々この碑くらいで、禅宗の匂いがしない。座禅と言う文字一つすら見られない。
もちろん、座禅をしている姿など望むべくもない。
「秩父札所」であることは観光事業であるかのようで、宗教活動とは無縁であるかのようである。
これは「第七番法長寺」に限ってのことでは、もちろん、ない。
「秩父三十四所」全部に共通してのことである。

観音立像の脇に線刻観音碑。
「四国佐渡最上観音霊場巡行 昭和六十二年十月」と刻されている。
実は僕の故郷は佐渡である。
佐渡の人口は約6万。寺院は250あると言われている。
人口比の寺の数は日本有数なのだ。
当然「佐渡八十八ケ所」もあり、二度回ったことがあるが、「佐渡三十三所」はまだない。
お寺ばかりの「佐渡八十八所」に対して「佐渡三十三観音霊場」は、お堂が主だから、ほとんど全部が無住、荒廃著しい筈である。
「秩父三十三所」のような観光巡礼は皆無、年間、数十人の地元信者がお参りするばかりの、案内板もなく、今や村人も知らない観音霊場を回ってきたという行為に敬意を表さざるを得ない。

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