第三十三番 延命山 菊水寺 (曹洞宗) 08.11.22









道路の右手に駐車場がある。
看板には「札所33番菊水寺」の文字が。
しかし、反対側の寺への参道の入り口の石碑には「長福寺」とある。
近づいてよく見ると石碑の脇に小さく「延命山菊水寺」と彫ってあるが、まことに紛らわしい。
もともと「菊水寺」は、約600メートル離れた山中にあり「小坂下観音」と呼ばれていた。
その別当としての「長福寺」が「小坂下観音」の管理権を握り、札所観音を本堂の本尊として祀り、それ以来、「長福寺」と「札所三十三番菊水寺」の二枚看板を掲げるようになったとのことである。








観音堂は、築190年の堂々たる構え。
堂内は土間で、土間に立ったまま参拝する。
秩父札所で、土間はここだけである。
納経所も堂内にある。



境内には何体もの石仏があるが、本堂手前のこの観音さまがいい。
ややうつむき加減に合掌する穏やかな姿に晩秋の光が柔らかく当たって、ほのぼのとした暖かい気分になる。

「合掌の石の観音秋夕日」 たける



帰りは、バス停「泉田」まで同じ道を歩いて戻り、そこから「西武秩父駅」に向かう。
連休中とあって、「泉田」から乗り込んだ乗客は20人くらい。
ほとんどが巡礼者だった。
座席に座れず、立つ人もいるバスを初めて秩父で体験した。


バスを待つ間、我々のガイドブック『秩父三十四カ所を歩く』を持っている男の二人連れがいたので、声をかけた。
本の指示通りに「第三十番法雲寺」から駒木野まで歩いたということだった。
時間に追われて大変だったらしい。
でもそれ以外は、正確、的確なガイドだったと『秩父三十四カ所を歩く』は彼らにも好評だった。
巡礼7日目を終了。残すは、結願寺のみとなった。

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