第二十四番 光智山 法泉寺 (臨済宗) 08.10.27









同じ札所でもアプローチの違いで印象はがらりと異なるのではないか。
左は我々が寺へと下り降りていった道。
普通は、右の写真のように急な石段を116段上って観音堂に達する。
おそらく石段を上がってきた巡礼者たちは、「法泉寺」といえば、「あのきつい石段の」と石段のことばかりを回想するに違いない。
石段の数は117段とするガイド本もある。一番上の117段目は境内で、石段ではないのだから116段が正しいのだと主張する者もいる。
どっちが正しいのか。
どっちでもいいように思えるのだが。








観音堂は回廊をめぐらした宝形造り。
珍しいのはお堂の前面に仁王門を取り入れていること。
江戸中期の建立というが、軒の垂木の作り出すやわらかな曲線が見事である。
境内の隅に佇む六地蔵。
そのうちの一体が気に入った。
石工の巧拙を問われれば稚拙なんだろうが、その豊かな表情がいい。
日本人離れの巨大な鼻。
小さめの口をキュっと閉じて「言いたいことは山ほどあるけれど言わないよ」とでも言いたげな顔。
どんな悩み事も「ウンウン」と聞いてくれそうな、大人の風格も漂っている。


















帰りは、石段を降りる。
眼の先に又もや武甲山。
秩父なのだから武甲山が見えるのは当たり前なんだろうが、武甲山の眺望が良い場所に札所を開設したのではないかと思えてならない。
この日はこれで打ち上げ。
「音楽堂」からの沢歩きに時間がかかって、15時25分の特急にようやく間に合った。

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