第六番 向陽山 卜雲寺 (曹洞宗) 08.11.05


「第六番卜雲寺」はブドウ園の斜面の上、石垣の上の青垣に包まれてある。
車時代以前の道取りだろう。
わずかに車一台が通れる狭い緩やかな坂道が寺へと続いている。
石垣にぶつかって右へ回るのだが、その角に祠があり、お地蔵さんが立っている。
案内板には「おねがい地蔵」と書いてある。
普通は願う種類を名前にして「目洗い地蔵」だとか「身代わり地蔵」だとか言うのに「おねがい地蔵」とはアバウトな話だ。
何を願われるのか、お地蔵さんも困ることだろう。


札所というと四国八十八カ所も西国、坂東も、そして、ここ秩父三十四所も、どこでも赤い幟が立っている。なぜ赤なのか、青や黄色でないのか、宗教的理由があるのだろうが、誰か教えて欲しい。
それにしても「第六番卜雲寺」の幟の数は尋常ではない。
こうして色彩鮮やかだと無意識のうちにシャッターを押してしまう。
印象的ではあるがけばけばしく、お寺さんには不似合いな、と感じてしまうのは僕だけだろうか。

「第六番卜雲寺」もまた武甲山にその縁起を有する。
境内から正面に武甲山の勇姿が見える。
逆光で黒い塔のようにしか見えないが、右側に聳えるのは見事に剪定された日光ヒバ。
石段の両側にあって、山門の代わりをしている。










さして広くない境内には、聖観音像、薬師如来堂、稲荷神社、六地蔵があり、こじんまりと心なごむ寺域である。
江戸時代、このあたりに10数軒の巡礼宿や茶屋があったという調査報告がある。
今の状態では、とても想像できない賑やかな場所だったようだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿