9・明智寺ー8・西善寺 08.11.05











三菱マテリアル工場を右に見ながら歩き始めた。
しばらくして気付いたのだが、道標が見当たらない。
農家の人たちに「8番へ行く道はどこですか」と聞くのだが、要領を得ない。
どうやら最初から間違った方向に歩き出したようなのである。
第九番を出たら、一旦駅の方に戻って左折しなければいけないのに、戻らずに歩き出したから、巡礼道から外れてしまい、土地の人たちもどう教えていいか戸惑ったらしい。
それでも、このまま進んで横瀬川に架かる橋を2度渡り、武甲山の方角に行けばいいと分った。

収穫あとの田んぼに緑の列が出来ている。
刈り取った跡の刈り株から芽が出ているのだ。
俳句をやる友人からこれは「穭」(ひつじ)と言うのだと聞いたことがある。
『日本大歳時記』を開いてみる。
青き穂に千鳥啼くなり穭稲  史 邦
こぼれ穂をもたげて萌ゆる穭かな  西山 泊雲
よべよりの雨に枯れたる穭かな  金尾 梅の門

武甲山の勇壮な山容が手に取るように分かる。
威風堂々とした独立峰。
昔の人がそこに神を見、修験の場としたことが分かるような気がする。
この先のかなりきつい坂を上がると「第八番西善寺」。
巡礼バスがすいすいと追い抜いてゆく。
車巡礼と徒歩巡礼の違いは、このきつさを体験するかどうかにある。

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